電動自転車で数秒に1回カタンと言う音が出る場合の対処方法
電動自転車で数秒に1回程度の間隔でカタンッ、カクンッ、と言う異音が出る場合はチェーンの交換が必要かも知れません。その原因と応急処置の方法を解説します
目次
はじめに
電動アシスト自転車を漕いでいると、数秒に1回の間隔で「カタ」「カタン」「カクン」と言うような音が出るんだけど...と言う質問を受ける事が店頭で多々あります
この現象は電動自転車だから起こると言う事では無いのですが、圧倒的に電動自転車の割合が多いです。
音が出ると言う事はどこかに緩みや異常が当然あって、その音が「ペダル1回転につき1回」とか、「タイヤ1回転につき1回」と言う感覚で起これば異常のある個所をなんとなく想像もできるのですが、
- ペダルを漕いでいない時には音が出ない
- 数秒に1回の間隔で、それが早い時もあれば遅い時もある
- スタンドをかけてペダルを回しながら横から見てもおかしい所はない
- 自転車はわりと綺麗で、錆びてボロボロと言う事はない
と言うような曖昧な感じで、上手に説明するのも難しいと思います。
多分、購入したお店にそれを電話で伝えても「見てみないと分からない」と言われるだけですから、自転車を持って行って直接見て貰った方が早いと思います。
当然そんな事はわかっちゃいるけど、「残念。買い替えですね!!」って言われるかもしれないし、数千円で済むのか? 数万円かかってしまうのか? このままではモンモンとして眠れない!! と言う方の為に解説させて頂きます。
異音が出る原因
普通の自転車はチェーンを全て覆うようにチェーンカバーが付いているのですが、電動アシスト自転車は後ろ半分の下側にチェーンカバーがかかっておらず、チェーンがむき出しになっている事が殆どです。
チェーンがむき出しではすぐに錆びてしまいますから、それを防ぐ為に錆びに強いコーティングが施された白っぽい銀色の防錆チェーンが使用されています
普通の安いママチャリではコストの関係で値段の高い防錆チェーンを使用できないのですが、電動自転車はそこが安物のママチャリとは違いますね。
ところが、ここが一番の問題で、防錆チェーンは錆びない物ではなく、錆びにくいチェーンなのです。
普通のチェーンは全て錆びだらけになりますから、ぱっと見で「注油を怠ったからだなぁ~」と解りますが、防錆チェーンの場合、チェーンのプレートとピンの擦れる部分はコーティングが剥がれて錆びるのですが、 表面は錆びておらず、チェーンが錆びてダメになっている事に気が付きにくいのです。
プレートとプレートのつなぎ目がうっすら茶色っぽくなっているだけですから、そこまで酷い状態になっているとは思いませんよね。
防錆チェーンの駒を全部分解してみると中身はサビサビです
殆どの車種が2本か3本のネジでチェーンカバーを固定していますから、プラスのドライバーでチェーンカバーを外して頂くと解るのですが、丁度チェーンカバーに隠れている部分にテンショナーが付いています。
固着して滑らかに動かないチェーンがこのテンショナーを通り過ぎる時に異音が出るのです。
また、チェーンの固着している部分が一周回って戻って来る時間はギヤが何段に入っているかで変わりますから、異音の出るタイミングも入っているギヤ次第と言う事になります
これで、電動自転車で数秒に1回カタンと言う音が出る原因は解明できたのではないかと思います。
対処方法
応急処置としてはチェーンの固着している部分に浸透性の高いシャバシャバな潤滑油を注油し、固着している部分の両脇を指で押さえて、手前、奥、上、下へとチェーンを捩じるようにしてなじませて頂くと、 錆びがあまり酷くなっていない物の場合は解消出来ると思います。
ただ、いずれにしても内部は錆びだらけになっているのは間違いありませんからチェーンは早めに交換して下さい。