自転車のクランクの種類と、クランクの外し方
自転車のペダルが付いている棒をクランクと呼びます。 ママチャリからスポーツ車までクランクの種類は色々あるのですが、さまざまなクランクの取り外し方を解説します。
目次
クランクの種類を確認しよう
実際にはボルトやキャップが付いていますから、外から穴の形状は見えないのですが、クランクに開いている穴の形状は左側から「OCS」「コッタレス」「ISIS」「オクタリンク」「ホローテック2」となります。
もちろんクランクの穴の形が違うと言う事はクランクが嵌まっているボトムブラケットの軸(ママチャリ業界だとハンガー芯って呼びます)の形状も異なります。
形状によって着脱に必要な工具や方法が変わってきますから、まずはそれを見極めなければなりません。
コッタレスクランク
コッタレスクランクについて
世の中の自転車の中で一番ポピュラーな物がコッタレスクランクと呼ばれる四角穴の物で、ママチャリやスポーツ車全般に使用されています。
四角穴のコッタレスクランクの場合、クランクを裏側から覗くとボトムブラケットの軸が四角形な事が確認できますから、一つも部品を外す事なく工具を選ぶ事ができます。
四角形と言う簡単な構造で、一番出回っている数が多い為、ボトムブラケットの軸の長さも豊富にありますから、クランクを内側や外側にオフセットさせるのが割と簡単にできる点が良い所です。
ただ、他のものと比べてボトムブラケット軸の重量は重たくなります。
コッタレスクランクの固定ネジ
コッタレスクランクの固定はほぼこの3タイプになります。
- 左:四角頭のボルトの上に樹脂の蓋をしたタイプ
- 中:六角穴ボルトの上部に樹脂のカバーが付いているタイプ
- 右:六角穴ボルトの上部に2か所穴があいているネジを切ったアルミ製のカバーが付いているタイプ
どれを使用しても固定はできますが、材料費が安いのでママチャリは殆ど一番左で、スポーツ車は真ん中です。右のタイプにすると工具が一つ減るので頻繁に着脱する場合は右ですね。
コッタレスクランクの取り外し(四角ボルト編)
- キャップを精密のマイナスドライバーなどでこじって外す。
- コッタレス抜き工具 「SHIMANO TL-FC10」 の裏側か、14mmのボックスレンチでボルトを外す。
- コッタレス抜き工具 の赤色部分をクランクにねじ込む
- コッタレス抜き工具の赤色部分をモンキーレンチなどで締め込む
コッタレスクランクの取り外し(六角穴ボルト編)
- 8mmの六角レンチでボルトを外す。
- コッタレス抜き工具「SHIMANO TL-FC10」の赤色部分をクランクにねじ込む
- コッタレス抜き工具の赤色部分をモンキーレンチなどで締め込む
コッタレスクランクの取り外し(六角穴アルミカバー付きボルト編)
- 8mmの六角レンチでボルトを緩める。
アルミのカバーが抑えになっている為、ボルトを緩める事でクランクが外側に押し出されますから、コッタレス抜き工具が必要ありませんが、六角レンチを回すのに結構力が必要です
OCSクランク
ママチャリにしか使われない少し小さめの星型穴のOCSクランクです。
ここ10年ぐらい、クランクも軸も修理で使用した事がなく、使われている自転車を最近見た事がありませんから、多分絶滅したんじゃないかと思います。
OCSクランクの取り外し
- キャップを精密のマイナスドライバーなどでこじって外す。
- コッタレス抜き工具 「SHIMANO TL-FC10」 の裏側か、14mmのボックスレンチでボルトを外す。
- コッタレス抜き工具 の赤色部分をクランクにねじ込む
- コッタレス抜き工具の赤色部分をモンキーレンチなどで締め込む
オクタリンク・ISISクランク
オクタリンククランクについて
SHIMANOのクランクで8つの切り込みが入っているタイプです。最近はホローテックと言う種類に変わり、殆ど見かけなくなりましたが、古いロードバイクなどはこのオクタリンククランクが付いている事が多いです。
ISISクランクについて
FSA(フルスピードアヘッド)やトルベイティブなど、シマノ以外が採用していたクランクで10個の切り込みが入っています。 こちらも最近はホローテックタイプになっていますから、ほとんど見かけませんが、入門クラスのロードバイクの完成車に取り付けされている事が多いです。
オクタリンク・ISISクランクの取り外し
- 8mmの六角レンチでボルトを外す。
- クランク 抜き工具アダプターの「SHIMANO TL-FC15」を差し込む。
- コッタレス抜き工具「SHIMANO TL-FC10」の赤色部分をクランクにねじ込む
- コッタレス抜き工具の赤色部分をモンキーレンチなどで締め込む
ホローテック2クランク
シマノのクランクで、最近のロードバイクやマウンテンバイクの中級グレード以上は殆どこのタイプになっていると思います。
ボトムブラケットの軸が無くなり、右側のクランクに中空シャフトが初めから取付られています。
ホローテック2クランクの取り外し
- 5mmの六角レンチでボルトを緩める(外さなくて結構です)
- 5mmの六角レンチで裏側のボルトを緩める(外さなくて結構です)
- クランク取付工具「SHIMANO TL-FC16」でキャップを緩める
- 細いマイナスドライバーやキリなどで割れ目にある樹脂の外れ止めを持ち上げればクランクが外れます