自転車のパンク修理、チューブ交換、タイヤ交換でタイヤを簡単に付けたり外したりする方法

自転車のパンク修理・チューブ交換・タイヤ交換の時にタイヤレバーを使ってもタイヤが簡単に外れない。 タイヤレバーが曲がったり、折れてしまった。タイヤを外す時とタイヤを嵌める時にとても時間がかかった。と言うお悩みを解決したいと思います。

 

目次

 

はじめに

自転車のパンク修理・チューブ交換・タイヤ交換の時にタイヤレバーを使ってもタイヤが簡単に外れない。タイヤレバーが曲がったり、折れてしまった。 タイヤを外す時とタイヤを嵌める時にとても時間がかかった。と言うお悩みを解決したいと思います。

 

タイヤの着脱に必要な工具

まずはタイヤレバーを3本用意してください。慣れてくるとタイヤレバーは2本や1本でも出来るようになります。 また、リムとタイヤの相性もありますから100%と言う事ではありませんが 自転車屋のレベルになればタイヤレバーを使用しなくてもタイヤの着脱ができるようになります。

ホイールのリムが鉄やステンレスの場合は鉄製のタイヤレバーでも構いませんが、 アルミリムやカーボンリムの場合はリムを傷つけてしまわないように樹脂製のタイヤレバーを使用して下さい。

タイヤの着脱に必要な工具

 

タイヤとリムの構造を理解しましょう

タイヤはリムの内側に収まっているのですが、当然空気をパンパンに入れた時にタイヤが外れてしまっては困りますから 必ずタイヤの内径はリムの外径よりも小さくなります。

このままでは簡単にタイヤをリムから外す事はできないのに、無理やりタイヤレバーを突っ込んでほじくり出すと、タイヤのビードが傷だらけになったり、 修理をしようと思っていたチューブに穴を開けてしまったりします。

タイヤの内径はリムの外径よりも小さい

そこで、リムの内径はタイヤの内径よりも小さくできていますから、その差をうまく利用するのです。

リムの内径はタイヤの内径よりも小さい

下の絵のように、タイヤをリムの中に押し込んでゆけば、対角線の部分が外側に出てきますから、 タイヤレバーで無理やりほじくるようにしなくても簡単にタイヤをリムから外したり付けたりする事ができます。

簡単にタイヤをリムから外したり付けたりする事ができます

これで大体どうするべきなのか?と言う所は理解して頂けたかと思いますので、実際の作業に進みます。

 

タイヤをリムから外しましょう

タイヤの内径部分にはビードと言うリムに引っ掛ける為のワイヤーが入っているのですが、このビードがリムに引っかかっていたり、リムにくっついていますから、 両手の親指を使ってリムからタイヤを内側に剥がすようなイメージで押し込んで行きます。

多分、リムからタイヤが剥がれる時に 「ポコッ」 と言う感触があると思います。

※もちろんタイヤの空気は完全に抜いてから行って下さいね。

この作業を 「ビードを落とす」 と言うのですが、タイヤ全周、両面行います。

チューブレスやチューブレスレディと言うタイヤと、チューブレス用リムの組み合わせの場合はかなりギッチリくっついていますから大変ですが、 普通にチューブが入っているタイヤとリムの組み合わせであれば、それほど大変では無いと思います。

タイヤのビードを落とす

次に、タイヤレバーを差し込む時にチューブに傷をつけてしまわないようにバルブは出来るだけ押し込んでおきます

チューブが傷つかないようにバルブは押し込む

そして、ここからが本題です。バルブの3~5cmくらい脇のタイヤを摘まんで、リムから遠ざけるように引っ張りながら車輪を持ち上げ、 対角線上にあるタイヤを摘まんでリムの内側に押し込んで行きます。

タイヤを摘まんでリムの内側に押し込む

画像のような形にできれば完璧で、タイヤレバーを使わなくても外せてしまうかも知れません。

ただ、リムとタイヤの種類によっては画像のような大きな隙間が出来ない場合もありますから、 「リムとタイヤの間に隙間を作らなきゃ!」 と、頑張る必要はありません。

なんとなく、そんなイメージをしながら作業をして貰えれば、今までとは比べ物にならない程スムーズに作業が進むと思います。

では次の段階に!!

リムの内側に差し込んだタイヤがもとの位置に戻ってしまわないように タイヤレバーを差し込む対角線上のリムとタイヤを一緒にしっかり握ってタイヤレバーを バルブの脇3~5cm程度の所へ差し込みます。

タイヤレバーを捻って、タイヤをリムの外側に出せたらタイヤレバーをスポークに引っ掛けておきます。

タイヤレバーをスポークに引っかけたら、リムとタイヤを握っている手は離して大丈夫です。

タイヤレバーを捻ってタイヤをリムの外側に出す

1本目のタイヤレバーの5cm~10cm先に2本目のタイヤレバーを差し込みます。

2本目のタイヤレバーを捻ってタイヤをリムの外側に出したら、タイヤレバーをスポークに引っ掛けておきます

1本目のタイヤレバーの5cm~10cm先に2本目のタイヤレバーを差し込む

2本目のタイヤレバーの5cm~10cm先に3本目のタイヤレバーを差し込みます。

3本目のタイヤレバーを捻ってタイヤをリムの外側に出したらタイヤレバーをスポークに引っ掛けます

2本目のタイヤレバーの5cm~10cm先に3本目のタイヤレバーを差し込む

そうすると2本目のタイヤレバーが勝手に外れて落っこちるか、簡単に引っこ抜けるようになりますから、 外した2本目のタイヤレバーを3本目の5~10cm先に差し込んで同じことを繰り返します。

外した2本目のタイヤレバーを3本目の5~10cm先に差し込んで同じことを繰り返す

タイヤレバーを使って1/4~1/2くらいリムの外側にタイヤを出せれば、 その後はタイヤレバーを使わなくても指でタイヤを外に出せると思います

あとは、チューブを引っ張り出して、パンク修理をしたり、チューブを交換して下さい。

 

チューブをタイヤに戻しましょう

タイヤを外す時の失敗は、タイヤやチューブを交換する事でリカバリーできるのですが、 取り付ける時に失敗してしまうと、初めからやり直す事になりますから、少し慎重に作業を行う必要があります。

まず、チューブのバルブ形状がフレンチバルブ(仏式)やシュレッダーバルブ(米式)の場合はチューブをタイヤの中に入れる前にチューブに空気を入れて下さい。

フレンチバルブ(仏式)の場合は空気を入れた後、作業中に空気が抜けてしまうのを防ぐ為、バルブの先を閉めて下さい。

ただし、入れる空気の量はチューブがギリギリチューブの形を保てるくらいです。 空気を入れ過ぎるとタイヤの中に入れるのが大変になってしまいますし、空気が少なすぎるとタイヤの中で捩じれてしまう可能性が高くなってしまいます。

チューブをタイヤの中に入れる前に空気を入れます

パンク修理やチューブ交換の場合は既にタイヤの片側だけがリムの中に入っている状態だと思いますが、 タイヤを交換される場合は、まず、タイヤの片側だけをリムの内側にはめ込んでください。

そして、バルブ穴の所にあるタイヤをつまんでチューブのバルブをリムに差し込みます。

タイヤをつまんでバルブをリムに差し込む

バルブ穴の部分のタイヤをリムの外側に出し、チューブ全周をタイヤの中に押し込んで行きます。

チューブ全周をタイヤの中に押し込む

赤い矢印部分を一番最後にリムの中に入れたいので、対角線の方から①②③④⑤と言う順番でリムの内側へタイヤを入れて行きますが、 ④や⑤の位置に来ると、リムの内側にタイヤを入れるのが硬くて辛くなってくると思います。

ここでタイヤレバーを使用してしまうと、タイヤを傷つけたり、チューブに穴を開けてしまう事になりますから、絶対にタイヤレバーは使用せず、 タイヤを取り外した時の要領を思い出してください。

絶対にタイヤレバーは使用しない事

チューブに空気が入った状態ですと、タイヤを摘まんでリムの内側に入れる事が大変になりますので、 バルブを緩めてチューブの中の空気を抜いてしまいます。

バルブを緩めてチューブの中の空気を抜く

タイヤを外した時の要領でバルブの3~5cmくらい脇のタイヤを摘まんで、リムから遠ざけるように引っ張りながら車輪を持ち上げ、 対角線上にあるタイヤを摘まんでリムの内側に押し込んで行きます。

バルブを緩めてチューブの中の空気を抜く

これもタイヤを外した時と同じですが、リムの内側に差し込んだタイヤがもとの位置に戻ってしまわないように タイヤレバーを差し込む対角線上のリムとタイヤを一緒にしっかり握って①②の順番で親指を使ってタイヤをリムの中に入れてゆき、 最後は両手の親指や、両手の平を使ってバルブ部分のタイヤをリムの内側に押し込みます。

タイヤレバーを差し込む対角線上のリムとタイヤを一緒にしっかり握ってタイヤをリムの中に入れる

ここで 「やったー終わったぁー!」 と喜んでしまうと、全ての作業が台無しになってしまいますからもう少し気を抜かずに頑張って下さい。

チューブはタイヤとリムの内側に綺麗に収まっているべきなのですが、タイヤを嵌める際に、リムとタイヤの間にチューブが挟まってしまう事があります。 そのまま空気をパンパンに入れてしまうと、タイヤとチューブが破裂して破けてしまいます。

チューブか噛んでいると破裂してしまう

そこで、タイヤとチューブをプニョプニョと指でつまめる位にチューブに少しだけ空気を入れて、 タイヤを外す時に行った「ビードを落とす」 と言う作業をタイヤ全周、両面、もう一度行って下さい。

ビードを落とす

この時にタイヤとリムの間にチューブが見えていなければ大丈夫ですが、チューブが見えてしまっている場合、 「チューブが噛んでいる」 と言う状態で、空気をパンパンに入れると破裂してしまいますから、一番初めのタイヤを外す所からやり直して下さい。

チューブが噛んでいないか確認する

チューブが噛んでいない事が確認できましたら、最後に規定の空気圧を入れて作業終了となります。