ブロンプトンが頻繁にパンクする原因と対処方法
頻繁にブロンプトン(BROMPTON)がパンクしてしまう原因が分からなければ、何度修理しても同じ事の繰り返しになりますから、パンクしてしまう原因の解明と対処方法を解説します。
目次
はじめに
頻繁にブロンプトン(BROMPTON)がパンクしてしまう原因が分からなければ、何度修理しても同じ事の繰り返しになりますから、パンクしてしまう原因の解明と対処方法を解説します。
普通に釘やガラスを踏んだ場合のパンクは運の良し悪しだけで、BROMPTON特有の物ではありませんから、説明は省かせて頂きます。
パンクしてしまう原因全てを知りたい方は 「自転車がパンクする原因」 をご覧下さい。
チューブ内側のパンク(~2013)
2013年頃までのBROMPTONはシングルウォールと言うタイプのリムが使われていました。
ホイールからタイヤを外した時に青色のリムテープがリムに巻かれている場合は2013年以前のシングルウォールリムで、黄色のリムテープが巻かれている場合は2014年以降のダブルウォールリムです。
原因
機械組みのホイールはニップルにバリがある事が多く、 リムテープがニップルにシッカリ覆いかぶさっていれば助かる事もあるのですが、 空気圧が少なくなった時などにリムテープがずれてしまうとニップルとチューブが接触してパンクしてしまいます。
とくに青色のリムテープが巻かれていた時代は、入荷した時からニップルが半分見えているのは普通にあって、リムテープの処理をしてから納車をしていたのが今では懐かしいです。
症状
パンクの箇所はリムに接触しているチューブの内側で、ニップルが接触した痕などが残ります。
対処方法
タイヤ、チューブ、リムテープを取り外して、リムの内側に飛び出ているニップルの角を全てヤスリで削り、幅広で厚めのコットンリムテープを張り付けたり、弾力性のあるリムテープを貼り付けた上に 幅広で厚めのコットンリムテープを張り付けるなどすれば、今後のパンクを防げると思います。
バルブ付け根のパンクについて
前項のようにニップルに接触してパンクしてしまうと言うのは2014年以降のモデルでは起こりませんが、 2014年以降のブロンプトンでパンクが頻発する方に多いのが、このバルブ付け根のパンクです。
これは、空気入れの使い方、空気を入れる量、空気を入れる頻度で対処方法が変わります
「何件も自転車屋を回って修理を繰り返しているけれど全く治らなかった」と言う方がとても多いのですが、それは極々自然な事だと思います。
空気入れの使い方、空気を入れる量、空気を入れる頻度に問題があるケースが殆どですから、これを何の情報もなく一発で完璧に治せると言う事は、
- 余程このパターンを経験しているブロンプトンの熟練者
- たまたま運良く治せてしまった
- あなたが空気を入れる所をいつも遠くから見ている(ちょっと怖い...w)
のいずれかですから、どちらかと言うと一発で治る方が普通じゃない気がします。
自転車と空気入れなど全てを一緒にご購入頂いていれば納車の時に使い方や注意点など全て説明していますから、 あとは忘れてしまっている部分や間違えて覚えてしまっている部分を修正すれば済むのですが、 初めてのお客様の場合はチューブや自転車の状態を見ておおよその見当をつけるのが精一杯ですから、 次々と色々な自転車屋を転々とするのはお勧めしません。
お薬手帳ではありませんが、空気を入れる頻度や、前回空気を入れた日。いつも入れる空気圧等は覚えておいて頂きたいのと、 いつも使用している空気入れを自転車と一緒にお持ち頂くと、より正確な判断に近づけると思います。
私たちが「これは凄いよ」とお勧めする自転車のメーカーは、たくさんのトライ&エラーを繰返し、一番バランスの良い所で仕上げていますから、 良し悪しも記載しますが、ここから先は一長一短のあるカスタマイズ方法と考えて頂ければと思います。
それでは原因と対処方法を説明してゆきますね。
ポンプ口金は差し込み式を使用している場合
原因
ポンプの口金がバルブに上から押し込むタイプを使用していて、「空気が抜けて来たなぁ~」と感じてから空気を入れる方は、ポンプを上から差し込む時にバルブがリムの奥に入ってしまいます。
空気が増えるとバルブは持ち上がって来るのですが、その時にバルブの脇に傷がついてそこからチューブが切れてしまいます。
対処方法-1
ポンプの口金を差し込み式から、「BROMPTON Pump Head」などの、ねじ込み式へ交換する事でバルブをリム内部に押し込んでしまう事がなくなります。
※ただし、差し込み式のポンプヘッドに比べるとポンプヘッドの耐久性は低く、ポンプヘッドを曲がってねじ込んでしまうとヘッドが壊れてしまいますので、慎重にねじ込むことが重要です
対処方法-2
バルブの上の方だけネジが切ってあるタイプではなく、「BROMPTON AV4 Tube」などの バブル部分に全てネジが切ってあるチューブへ交換するとバルブの固定ナットを取り付ける事ができ、バルブをリム内部に押し込んでしまう事がなくなります。
※ただし、M型ハンドルのBROMPTONに標準で取り付けされているチューブよりもチューブ自体がやや細めですから、 空気を入れて膨らませるとチューブの厚みが少し薄くなり、ガラスなどが刺さるパンクへの耐性は若干弱くなります。
空気を入れる頻度が少ない
原因
空気を入れる頻度が少ないとタイヤとチューブの密着がわるくなり、漕ぎだしやブレーキの時にタイヤがずれてしまいます。タイヤだけならずれても構わないのですが、 チューブはバルブの部分だけリムに固定されている為、タイヤがずれた分だけチューブは引っ張られて切れてしまいます。
バルブが真っすぐではなく、曲がっている場合はほぼ確実に空気が少ない状態で乗っていたと考えて良いと思います。
さらに、チューブが引っ張られる時にリムテープもずれてしまいます。パンクを防ぐ為のリムテープが逆にチューブを傷つけてしまいますし、 リムテープがずれるとバルブが通る穴は小さくなりますから、ポンプで押し込んだバルブが空気を入れても正常な位置まで戻らずにバルブの根元に負担がかかって破れてしまいます。
対処方法-1
とにかく、タイヤの空気は常に適正圧にしておくと言う事が一番重要です。
空気圧を測れない空気入れを使用するのはもってのほかです。ブロンプトンに付属のポンプはエマージェンシー用ですから、気圧計の付いたポンプで適正圧を保つようにして下さい。
対処方法-2
リムテープをシールタイプの物に交換する
根本的な解決にはなりませんが、リムテープの裏側がシールになっていて、 リムに貼り付けできるコットンリムテープなどに交換すると、チューブがずれてもリムテープがバルブ根元に傷をつけてしまうのを少しは緩和できると思います。
対処方法-3
フレンチバルブのチューブに交換する。
ブロンプトンに標準で取り付けされているチューブは米式(アメリカ式)で太さは8mmですが、太さ6mmの仏式(フレンチバルブ)に交換する事でリムの穴の隙間が広くなりますから ほんの少しだけチューブが引っ張られた状態の時にはバルブ付け根の負担は少なく、バルブの引っ張られ加減(バルブが斜めになっている)が分かりやすい為、早めの対処ができると思います。
※ただし、バルブの太さが細いと言う事は、チューブとバルブの溶着部分の強度も弱くなりますから、チューブが沢山引っ張られてしまった場合の耐久性は米式に比べて低くなります。 また、仏式バルブは米式バルブに比べて空気が抜けるのがとても早い為、空気を入れる頻度は相当増え、バルブ先端の形状も繊細で折れやすいですから、ポンプの口金を差し込む時は慎重に行う必要があります。