金属製フロントフォークコラムを切る方法を解説

アルミや鉄など金属製フロントフォークのコラムを切断する方法や、必要な道具、材料などについて詳しく解説します

 

目次

 

はじめに

スポーツ車は乗り込んで行くうちにハンドルを下げたくなってきます。 ハンドルステムとコラムスペーサーの位置を変えてハンドルを下げて行くとコラムスペーサーが上に飛びでますから そこでフロントフォークを切断したくなるんですよね。

ノコギリでギコギコすれば良さそうですから 「飛び出ている分を2cmくらい切ってくんない?」 と、かる~い感じで言われる事が多いです。

フォークコラムを切断する長さが短ければ簡単で、長いと大変と言うイメージだと思いますが、じつはチョットだけ切るのが一番大変だったりします。 その辺りの事も含めてアルミや鉄の金属製フロントフォークコラムの切断方法を説明させて頂きます。

フォークコラムをカットりたくなる理由

 

アルミや鉄の金属製フロントフォークコラムにはスターナットと言う、かえしの付いたナットが打ち込まれています。

フォークコラムにはスターナットが打ち込まれている

 

スターナットはフォーク上面から10mmの部分と20mmの部分にかえしがありますから、ノコギリの厚みと誤差を考慮すると 1回の作業で切り落とせるのはフォークコラム上面から見て 5mmまでか、25mm以上となります。

1回の作業で切り落とせるのは5mmまでか25mm以上

 

もし、5mm~25mmの範囲でフォークをカットしたければ、まず上から5mmを切り落とし、 スターナットセッターでナットを打ち込み、また5mm切り落とす。を繰り返すと言うなかなか根気のいる作業になりますから、 見た目は気にせずステムの上にコラムスペーサーを載せた状態で使用する方が得策だと思います。

細かく何度も切り落とす

 

実際にはフォーク上面から5mmだけを切り落としたい!! と言う事はまず無いと思いますから、 25mm以上フォークコラムを切断したい方や、コラムがカットされていない新しいフロントフォークを取り付けされる方向けの作業です。

 

コラムカットに必要な道具と材料

金属製フロントフォークコラムの切断に必要な工具とパーツは以下の通りです。

  • 鉄鋸
  • ソーガイド
  • 万力
  • ハンマー
  • 丸ヤスリ
  • 平ヤスリ
  • スターナットセッター
  • スターナット

※スターナットはアルミコラム用の径が小さい物と、鉄コラム用の径が大きい物があります

コラムカットに必要な道具と材料

 

パイプカッターでも切断は出来ますが、切り口が膨らんでしまい、その部分をヤスリで削り落とすのがとても大変ですから鉄鋸で切断して頂いた方が良いと思います

パイプカッターでも代用は可能

 

金属製フォークコラムの切断方法

万力にソーガイドをセットし、フォークコラムをソーガイドの中に通して固定し切断作業に取り掛かります。

万力にソーガイドを固定してコラムを固定する

 

初めはあまり力を掛けず、そっとなでるようにストロークして行きます

最初はそっとなでるようにストロークして行きます

 

途中は大胆に大きく削るようにストロークして行きます

途中は大胆に大きく削るようにストロークして行きます

 

最後もあまり力を掛けず、そっとなでるようにストロークして行くと綺麗に切れると思います

最後もあまり力を掛けず、そっとなでるようにストロークして行きます

 

フォークコラム切断後の処理

フォークコラムの切断面(外側)の角と上面を平ヤスリで削ります。

フォークコラムの切断面を平ヤスリで削ります

 

フォークコラムの切断面(内側)を丸ヤスリで削ります。

フォークコラムの切断面を丸ヤスリで削ります

 

切断面が曲がっていたり、バリがあったりすると、スターナットを打ち込む時に斜めになってしまう事があり、これはやり直しは効きませんから フォークコラムにハンドルステムとコラムスペーサーを差し込んで、コラムスペーサーをガイド代わりにしてヤスリで飛び出ている部分を丁寧に削って下さい。

コラムスペーサーをガイド代わりに削ると綺麗に仕上がります

 

最後にスターナットの上にスターナットセッターを当てて、ハンマーで打ち込めば完成です。

スターナットの上にスターナットセッターを当ててハンマーで打ち込めば完成

 

これにて金属製フロントフォークコラムカットは終了です。お疲れさまでした。

 

このあと連続してハンドルステムを取り付けされる場合は 「ハンドルステムの取り付けや調整の方法」 をご覧ください。