ペダルを逆に回すとチェーンが外れてしまう!!壊れてしまったのか?その理由と対策は?
外装ギヤ付きの自転車で、ペダルを逆回転させるとチェーンが外れてしまう理由と対策を解説させて頂きます。
目次
はじめに
「ペダルを逆に回すとチェーンが外れてしまうんだけど...」
「今までの自転車ではそんな事無かったから不良品か調整不良じゃないの?」
と言う問い合わせが外装ギヤ付きの自転車を購入された方からあります。
これは 『自転車屋あるある』 なので、自転車屋に文句を言う前にこのページに気づいて見て貰えるとありがたいです。
部品の名称
まずは、部品の名前を覚えて下さい。
- ① スプロケット
- ② ディレーラー
- ③ チェーン
- ④ チェーンリング
ペダルを逆に回すとチェーンが外れる理由
チェーンリングの枚数にもよりますが、一般的に後ギヤが重たい(小さい)スプロケットにチェーンが載っている場合は わりとチェーンのラインは真っすぐな状態になります。
しかし、後ギヤが軽い(大きい)スプロケットにチェーンが載っている場合、チェーンのラインはかなり斜めになります。
チェーンが進行方向へ向かう場合は、チェーンのラインが曲がった状態で送られてきたとしても スプロケットにチェーンが乗る寸前でディレーラーのガイドプーリー(赤色)から 真っすぐスプロケットにチェーンが載るようにディレーラーがチェーンの曲がりを補正します。
しかし、ペダルを逆に回してチェーンが進行方向とは逆の方向へ向かう場合は、 チェーンのラインが真っすぐでない限り、ディレーラーのようなチェーンの曲がりを補正する部品がありませんから、 チェーンは脱落してしまいます。
上記のような理由で、チェーンラインが真っすぐでない限り、チェーンは外れてしまうのです。
もし、ディレーラーが取付されている意味やディレーラーの役目が分からないと言う方は下記の記事を一度ご覧頂ければ、 チェーンを脱線させる装置の無い所でチェーンは上手く脱線させる事はできないと言う事はお分かりいただけるかと思います。
さらに、チェーンリングより後側のフレームが長ければ長いほどチェーンの角度は緩やかになりますからチェーンは外れ難く、 短くなればなるほど角度がきつくなりますから、チェーンは外れやすくなります。
チェーンステーの長さは マウンテンバイク > クロスバイク > ロードバイク と言う形になりますから、 オフロード向けの自転車からオンロード系の自転車に乗り換えた方ほどペダルを逆回しにした時にチェーンが外れやすくなります。
また、ギヤの数が増えれば増えるほど小さいスプロケットと大きいスプロケットの幅は広くなりますし、 1段1段の間隔も狭くなりますから自転車のグレードが上がれば上がるほど逆回しした時にチェーンは外れやすくなります。
そもそも、普通の状態では何のメリットもないペダルの逆回しは、する必要もありませんし、してはいけない事なのに、 安い自転車を使っていた為に大きな問題にならなかった事が、 良い自転車を購入したら頻発するようになり、それをトラブルに思えてしまうのはそのせいだと思います。
ただ、全ての自転車でペダルの逆回しは何のメリットもないのか?と言うとそうでもありません。
BMXでランプをバックで降りる時などは当然ペダルを逆回転させる必要があります。 ただ、BMXはシングルギヤですから、逆回しさせてもチェーンが外れる事はありません。
また、バイシクルトライアルと言う競技でセクションに入ってから方向転換ができず、 減点されない為に、地面に足を着けずにバックする時にはペダルを逆回しする必要が出てきます。 シングルギヤのモデルであれば、BMX同様にチェーンが外れる事はありませんから、そのままバックすれば良いのですが、 多段変速のモデルを使用している場合は、スタンディングの状態からジャックナイフし、 後輪が浮き上がっている状態のままチェーンラインが真っすぐになる所までギヤを変えながら普通にペダルを回し、 チェーンラインが真っすぐになった所でバックを始めれば良いだけですから、この場合もそれほど問題にはならないかと思います。
結論
外装ギヤ付きに限った事ではありませんが、自転車はペダルを逆に回す事を考えて作られていません。
(ペダルを逆に回しても前に進みません)
ですから、ペダルを逆に回すのはやめましょう。
どうしても後ろに回したいならシングルギヤの自転車に乗り換えましょう。
それでもギヤ付きが欲しいのなら、内装ギヤ付きの自転車に乗り換えましょう。
外装ギヤ付きの自転車は譲れなくて時々回したくなる事があるのなら、 その時は前後のギヤをチェーンが真っすぐになる位置にセットして逆回ししましょう。